オーストラリアのF1レース

高速コーナーが面白いサーキットとは

F1オーストラリアGPの結果は

オーバーテイクが難しいサーキットでの戦い

セバスチャン・ベッテルとルイス・ハミルトンがバトルを繰り広げた2018年のF1オーストラリアGP。
攻撃的な走りを見せるも、31週目以降順位に変動はないままセバスチャン・ベッテルがチェッカーフラッグを受けました。
もともとアルバート・サーキットはオーバーテイクが難しいコースではありますが、これはF1で指摘されている課題であることはご存知の通り。
昨今、モータースポーツの白熱するバトルシーンを望むファンにとっては、劇的なシーンに食い足りなさを感じる部分はあるかもしれませんね。
もちろん、主催者サイドもこの課題についてはワーキンググループを立ち上げ検討中。
その一端として、この開幕オーストラリアGPでも3番目のDRSゾーンを追加し、オーバーテイクをしやすくする施策も行われました。
実際にDRSを使用したオーバーテイクは3回、コース上での追い抜きは15回、ただしほとんどはオープニングラップで、2周目以降は難しい展開となっています。

エアロダイナミクスの研究が随時進行中

これからのF1がどんどんドラマティックな展開になっていく証拠として、ワーキンググループが行っているエアロダイナミクスの研究が挙げられます。
内容は、オーバーテイクを可能にすべく、風洞施設で計算流体力学を用いてマシンのダウンフォースを研究するもの。
現在マシン後方に向かって発生するタービュランスの増加により、なかなか後続車が近づけなくなっている点を解消するものです。
最終的にはレギュレーションによるマシンデザインの変更が予想されますが、これはもう少し先の見通し。
その時には、各社一体どんなニューマシンを開発して来るのか楽しみでもあります。
ドライバーがテクニックを駆使し、駆け引きによるドラマティックなレース展開を見せてくれるのが醍醐味ですから、是非引き続き期待したいですね。

アルバート・サーキットのポイント

アルバート・サーキットはオーストラリアのメルボルンにあり、アルバート・パーク内にある公道を利用したサーキットです。
人口湖を周回するコースで、F1に使用される以外はレースは行われていません。
ストレートがヘアピンで連結されたレイアウトで、ストレートエンドではハードブレーキングが必要とされるストップ&ゴーのテクニカルなコース。
低速域から一気に加速する性能が求められ、非常にトリッキーなコースでもあります。
難しいコースでのオーバーテイクを容易にするために、2018年に3番目のDRSゾーンが追加されました。
ここでは前走車へ接近しておいて、その後のホームストレート上のDRSゾーンで追い抜きを仕掛ける勝負どころとなっています。
そもそもマシンセットアップが難しいコースと言われ、専用サーキットではないためフリー走行時は路面が砂利などでスリッピーなのも注意点。
タイヤグリップがかなり低い状態からどんどん改善されるため、決勝と初日とでは同じドライバーでも1周5秒以上のタイム差が出る事すらあります。
序盤でセットアップを決めきれない、マシンバランスを取りにくいのがチームの総合力を問われる点でもあり、見どころでもあるわけですね。
チームにとっては長く厳しいレースの始まりですが、それは史上最多タイの21戦という過酷なスケジュールにもあります。
3週連続開催など初のスケジュールもあり、非常に厳しいチャンピオンシップになることは間違いありません。
昨年、マシンの高速化を図りレギュレーションが大幅変更されましたが、今年はそのセッティングがどれほどこなれているかも見どころ。
パワーユニットの使用制限数も年間4基から3基まで減らされたことも、過酷な条件の一つです。
7レース分の距離を1基でカバーを余儀なくされるという、ユニットへの信頼性。
総合力を駆使して今年はどのチームがシャンペンシャワーを浴びるのか、楽しみですね。

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